今回はショアジギングの基本的な釣り方と釣れる・釣れない理由のヒント、青物を釣るためのテクニックを紹介しています。釣り方が分からない方、ショアジギングを何度かやってみたけどうまくいかなかった方は、ぜひ参考にしてみてください。
※2024年11月22日更新
ショアジギングの釣り方を解説
ショアジギングのコツやテクニックをご紹介
今回はショアジギングの基本的な釣り方と釣れない時の理由、トラブルの理由になるポイントや狙い方の基準になるポイントをまとめてご紹介します。ステップアップを目指すために覚えておきたいコツも紹介しているのでぜひ参考にしてみてください!
ショアジギングのメインターゲットは青物
青物の釣果アップを目指そう
ショアジギングでは様々な魚を狙うことができます。その中でも特に人気の高い魚種が青物です。掛かった後の強烈な走りと、キャッチした時の感動は誰もが病みつきになります。本来は船釣りで狙うことが多かったターゲットがショア(陸)から狙って釣れるということでショアジギングのブームの火付け役になったことは間違いありません。
青物以外にもシイラやサワラ、ヒラメなど大型のフィッシュイーターが掛かることもあります。いずれも釣り上げた時の喜びは勝るとも劣らないターゲットばかりなのがショアジギングの魅力の一つです。
他にも根魚など豊富な魚種を狙うことができますが、今回は特に青物の釣り方のコツをメインに解説します。
ショアジギングのポイント選び
ベイトチェックが大切
ポイント選びで最も大切なのはベイトの有無です。青物が釣れるかどうかはベイトの有無に大きく左右されます。青物は餌となる小魚、つまりベイトを追いかけて堤防付近や磯周りに回遊してきます。ベイトがポイントにいなければ、青物がその付近に回遊してくる可能性は低いと考えた方が良いでしょう。
主なベイトはアジ・イワシ・カマス・サヨリ・稚鮎・ボラ・コノシロ・キス・ハゼなど様々ですが、季節によっても接岸の有無が変わります。回遊性のあるベイトに青物がついてまわるイメージを持っておくと良いでしょう。
また、ベイトは決まったポイントに回遊してくることが多いです。潮通しが良く、ある程度の水深が確保されている磯や堤防の先端付近などがそのポイントにあたります。ポイント選びの際には、この条件に当てはまっているかどうかをチェックしてみましょう。
こんな時はポイントを変えよう
いざポイントへ到着し、釣りを開始してもなかなか釣れないこともあります。もちろん、上潮で釣れなくても下潮に変わった途端に釣れ出すこともありますが、回遊性の青物を狙う場合は1つのポイントで粘りすぎないことも大切です。
ベイトとなる小魚が全く見当たらない時や、潮が全く動いておらず海に変化が見られない時には別のポイントに移動した方が良いでしょう。また、沖磯などの全方位にキャストが可能なフィールドでは、潮表で反応がなくても潮裏でヒットすることも多いです。
ショアジギングで青物を釣りやすい季節
春の釣り
春は様々な魚の活性が一気に高まるシーズンです。産卵に備えて荒食いを始める魚種も多く、青物では特にヒラマサの大きな個体を狙えるチャンスです。より大きなルアーを使って大型の青物が狙えます。テクニックに心配のある初心者にも釣りやすい季節です。
夏の釣り
夏は青物のサイズが比較的小さくなります。地域によっても違いはありますが、水温が急激に上昇することで魚が沖の方へ移動してしまうためです。カンパチは高い水温を好む傾向にあるため夏でも狙いやすいですが、ブリやヒラマサの大型個体は狙うのが少し難しくなります。
秋の釣り
秋は春と同じく青物を狙いやすい季節です。ブリ、ヒラマサ、カンパチによらずほとんどの青物を狙うことができます。夏場の高水温が落ち着き、少しだけ水温が下がりはじめたタイミングが狙い目です。ただし、水温が急激に下がったあとは魚の反応も鈍くなるので注意が必要です。
冬の釣り
青物狙いでは一番難しい季節と言えます。そんな中でも冬のメインターゲットといえばブリです。寒ブリとも呼ばれる冬シーズンのブリは数釣りこそ難しい反面、1匹1匹の個体が大きい傾向にあります。冬でも比較的水温が安定している地域であれば、1度は釣ってみたい青物です。
ショアジギングで青物を釣りやすい時間帯
朝マズメ
朝マズメは朝日が顔を出す直前のタイミングです。海中のプランクトンが活動を始め、それを狙って集まるエビなどを求めて食物連鎖が活発化します。朝マズメは青物も餌を求めて活性が高まるため、大きなルアーを使用してより大きな個体を狙えます。
メタルジグは薄暗い中でも視認しやすいグロー系のカラーや、アカキンカラーがおすすめです。メタルジグのアクションも激しくジャークさせて大きな動きでアピールさせましょう。魚の活性が高いタイミングでは、より派手に魚にアピールさせることが最優先です。
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日中
日中は青物が釣りにくい時間帯です。潮回りが良く、ベイトも回遊してきている場合にはチャンスも増えますが、日中はアングラーのテクニックが問われます。日光が差し込み海中が明るくなると目の良い青物は警戒心が高まり、ルアーへの反応が悪くなります。
警戒心の高い青物に口を使わせるには、シルエットの小さなルアーを使用したり、アクションも大きく派手にジャークするのではなく、小刻みなナチュラルな動きが有効となります。日中使用するカラーはシルバー系の光を反射するタイプのカラーが定番です。
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夕マズメ
夕マズメも青物を狙いやすい絶好のタイミングです。日が少し陰り始めたタイミングから、沈み切るまでの時間が長く時合と呼ばれる魚の活性が一気に高まるタイミングも訪れやすいです。朝マズメと同じように、アピール力の高いルアーでアピールすることが釣果アップのコツです。
夕マズメは1日を通して青物を釣り上げる最後のチャンスということもあり、日没ギリギリまで粘ってしまうことも多いです。しかし道のりの険しい磯などでは、完全に太陽が沈んでしまうと危険です。無事に帰るまでが釣行ですので、帰りの道のりも考慮して日没までに撤収するようにしましょう。
ショアジギングキャストテクニック
ペンデュラムキャストを覚えよう
ショアジギングではペンデュラムキャストと呼ばれるキャスト方法でルアーをキャストします。ペンデュラムキャストは竿先からルアーまでの垂らしを長くとりルアーを振り子のように揺らし、遠心力を使ってルアーを飛ばします。初めての方にはコツを掴むのに少し時間がかかるかもしれませんが、少しずつ慣れていきましょう。
最初はゆっくり投げる練習から
ペンデュラムキャストで飛距離を出すコツは、最も遠心力が大きく働く位置でロッドを振り抜くことです。ルアーを振り子のように揺らしてちょうど4時の位置にルアーが到達したタイミングがベストです。最初は振り子のようにルアーが動く様子をしっかり目で追ってみましょう。
練習方法で最も効果的なのは、ゆっくりキャストすることです。初めから思いっきりロッドを振る必要はありません。ゆっくり竿を振っても、遠心力を使いベストなタイミングでルアーをキャストすることができれば飛距離は十分稼げます。少しずつ練習してコツを掴みましょう。
また、実践中においてもリーダーを結び直したり、ルアーを変更したりした時の1投目は軽めに投げることをおすすめします。結び目がしっかり締め込まれて抜けにくくなったり、ルアーやジグの変更に伴う重量の変化によるキャスト時のトラブル回避につながるからです。
キャスト後はメタルジグを着底させよう
ショアジギングではメタルジグを海底に着底させることが重要です。着底させることにより、ある程度の水深を測れる他、海底地形を確認したりすることで釣果アップに繋がります。また、青物はどのレンジを回遊しているかわかりません。全てのレンジを探るようにしましょう。さらに、着底させることで、ヒラメやマゴチ、根魚といったターゲットが釣れる可能性も格段に上がります。
初めての方は着底の感覚を覚えるために少しコツが必要です。ルアーが着水した直後から、スプールにそっと指を添えてラインの放出が止まったタイミングを指で感知できるようにしてください。スプールに指を添えておけば余計な糸ふけも出なくてすむので、一石二鳥です。
ショアジギングアクションのコツ
ショアジギングのしゃくり方をご紹介
キャストがスムーズにできるようになったら次はメタルジグのアクションのやり方を覚えましょう。ショアジギングでは海中のメタルジグを、ロッドをジャークさせて動かします。ジャークとはロッドをしゃくる動作を指します。初めての方でもコツを掴めば大丈夫です。
ワンピッチジャーク
最も基本となるアクションです。ロッドを1度ジャークさせる毎にリールを1回転させるシンプルな動かし方です。ワンピッチジャークのコツは、リールの巻き方にあります。
ロッドをジャークさせるよりも、リールを巻き上げる際のハンドルの動きに意識を持っていきましょう。
ロッドをジャークさせる動作と、リールを巻く動作を別々に考えてしまうとアクションがぎこちなくなります。リールを巻く時の動きに合わせてロッドを持ち上げる感覚で練習してみると、うまくしゃくれるはずです。
ジャカ巻き
ジャークのやり方自体はワンピッチジャークとほとんど変わりませんが、より高速にジャカジャカリールを巻くやり方をジャカ巻きと呼びます。水中のルアーが不規則に暴れることで、逃げ惑う小魚を演出できます。
ワンピッチジャークではラインスラッグを少し多めに取ってしゃくりますが、ジャカ巻きはリールを巻くのとほぼ同時にロッドをジャークさせるため、ラインスラッグはほとんど必要ありません。ワンピッチジャークで釣れない時にはぜひ試してみてください。
ただ巻き
ワンピッチジャークに加え、覚えておきたいテクニックの一つがタダ巻きです。青物は非常に目が良く、ワンピッチジャークではルアーを見切られることがあります。そういった時にはリールをただ巻くだけのアクションを試してください。リールを巻くスピードは速めが良いです。
魚の活性に合わせて動かし方を変えよう
ショアジギングでは魚の活性に合わせて誘い方を工夫することが、釣果アップに繋がります。マズメ時など活性の高いタイミングでは、早い動きでアピールし、日中なかなか口を使わなくなった魚にはルアーをゆっくりとした誘い方が効果的です。
狙う魚によるアクションの違い
狙う魚によってルアーアクションを工夫することも釣果アップに繋がります。例えばヒラマサやブリはメタルジグを大きく跳ねさせるようにジャークして誘います。一方で、サワラには高速でルアーを巻いて誘うただ巻きの誘い方が有効です。
ショアジギングを初めてもなかなか釣れないという方に多い理由の一つが、アクションが一遍通りになっているという点です。こうしなければいけないと決まったものはありませんが、狙う魚や状況に応じてしゃくり方やジャークのテンポを工夫してみましょう。
メタルジグの種類に合わせたアクション
メタルジグによって得意なアクションが分かれます。例えば、ロング系のメタルジグはラインスラッグを多くとって大きくしゃくるスライドアクションを得意とします。逆に小刻みなショートピッチで魚を誘いたい時には、セミロングやショート系のメタルジグが有効です。
ヒラヒラとしたフォールが得意なメタルジグもあります。ジグの種類、形状によってアクションを使い分けましょう。
釣果アップの秘訣はフッキング
しっかりフッキングを決めよう
ショアジギングで掛けた魚がバレてしまう最大の理由がフッキングです。大型の青物を狙う際には大きなフックを使用しますが、太いフックは細い針に比べて魚の口を貫通させにくいのです。フッキングのやり方は様々ですが、最初は魚のアタリが出た後に大きくロッドを縦か横に煽りましょう。
メディアなどで、何度も竿先を煽る合わせ方を見ることも多いと思います。実は一長一短で、やり方を間違えるとバラシの原因にもなります。特に必要以上なフッキングは、太いフックのせいで魚の口に刺さっている部分の穴が広がる危険性があり、その場合折角のかえし部分がそのまま抜けてしまうという残念な結果になりかねません。
また、何度もフッキングするにしても、しっかりラインテンションを保っておかないと、竿先を戻した一瞬のゆるみでジグがフックを海底方向に引っ張る形になるのでフックアウトする可能性が高まってしまいます。
逆に1回のフッキングでは刺さりが甘かったり、特にヒラマサは掛かった直後に根に走るので複数回のフッキングを利用して頭をこちら側に向かせることも出来たり、とメリットもあります。
どのようにするのが最適なのかは経験を重ねていくうちに身につく部分もありますが、まずは最初のフッキングをしっかり入れることでランディングの可能性は高まるので、力強く思いっきり合わせられるように練習しておきましょう。
大型魚の取り込み方法
基本はずり上げ、ぶっこ抜き
磯でのショアジギングでは魚をランディングする際、よほどの大きさでない限りはロッドの力を使って魚をずり上げます。ぶっこ抜きとも呼ばれるこの方法ですが、単独釣行の際は魚をいなしながらギャフや網ですくうよりも安全で確実です。
サーフではギャフや玉網は使いづらいので、波の力を利用して、押波の時に一気にずり上げてしまう方が確実です。この時、ラインテンションが絶対に緩まないように自分自身も後退りながらずり上げると良いでしょう。
ショアジギングでは、釣り場についてキャストを始める前にランディングポジションを決めておくのも大切です。もし魚が釣れたらここで魚をずり上げようと決めておけば、魚がかかった後も余裕を持って対処できます。
玉網やギャフも持っていこう
ショアジギングではどうしてもぶっこ抜きできないようなサイズの青物と遭遇することもあります。また、足場の高い堤防では玉網やギャフが必須となります。どんな魚と出会っても適切に対応できるよう、釣行の際には玉網やギャフを必ず持っていくようにしましょう。
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ショアジギングの釣り方は基本が大切
今回ご紹介した釣り方やテクニックは基本的な内容がほとんどです。ショアジギングでは動かし方や巻き方よりも、ポイントやベイトの見極めが釣れる釣れないに大きく影響します。逆に言えば、キャストや基本のジャークのコツを掴んでしまえば誰にでもチャンスがあります。皆さんもぜひチャレンジしてみてください。