寿司屋でも高級なネタとして知られているマグロ。そのマグロの一種であるトンボマグロ(ビンチョウマグロ)をジギングで釣り上げる釣りが「トンジギ」です。この記事では、トンジギの釣り方について分かりやすくご紹介。タックルや仕掛けのポイントもまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
トンジギで海の大物を狙う
トンジギとは?
トンボマグロをジギングで釣ることを「トンジギ」と呼びます。トンボマグロはビンチョウマグロのことで、寿司屋でもその味の良さは有名ですよね。釣って楽しく、食べて美味しい釣りが「トンジギ」なのです。
トンボマグロの由来と生態
ビンチョウマグロは、トンボの羽のように見える長い胸ビレが特徴で、トンボマグロと呼ばれる由来もそこから来ています。大きさはマグロの中では小型ですが、それでも平均サイズは10kg前後。大きいものになれば30kgを超える大型魚になります。
トンジギは外道も魅力的
トンジギはメインターゲットであるビンチョウマグロのほかにも、外道として釣れる魚も非常に魅力的です。キハダマグロやカツオといった高級魚が外道として釣れることもあるので、トンジギは外道でも夢のある釣りだと言えるでしょう。
トンジギのシーズン
ビンチョウマグロは、早ければ11〜12月にかけて黒潮に乗って日本近海エリアを回遊しだし、トンジギシーズンの始まりを告げます。水温が低い間は日本近海に留まりますが、水温の上がりだす4月頃には日本近海エリアを離れるのが特徴です。
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トンジギの基本アクション
トンジギは中層を狙うのが基本
ビンチョウマグロは、水深30〜200mの中層を泳いでいます。どの棚にビンチョウマグロが付いているのかは釣り船の船長が教えてくれるので、指示があったら速やかにジグを海に投入してください。この際、ジグは船の真下に落とすためキャストをする必要はありません。
ドテラ流しの角度を意識する
トンジギは、船のエンジンを止めて船を流すドテラ流しで釣ることがほとんどです。そのため、斜めに落ちるジグを計算して糸を多めに出さないと、目的の水深までジグが届かない可能性があります。ラインを真下に落としたときを基準に、角度が大きいほどラインを多めに出すようにしましょう。
アクションはワンピッチジャーク
トンジギの釣り方の基本は、ワンピッチジャークです。「リールのハンドルを1回転させたら1回しゃくるをリズミカルに繰り返していく」という、初心者でも簡単にできるしゃくり方法です。棚からおよそ水深30mか50mまで動かしてヒットしなければ、また棚までジグを落とすようにしてください。
アクションはスローを意識する
ビンチョウマグロの釣り方のコツは、ワンピッチジャークの動きをなるべくスローにすること。これは、ハイペースに動かすとビンチョウマグロが食いついてこない可能性があるためです。ロッドを動かすときは、大きめのストロークを意識してみてください。
フッキングは強めを意識
ビンチョウマグロは口が堅い魚のため、フックする力が弱いとばらす原因につながります。そのため、あたりを感じたらしっかりと巻きあわせをするようにしましょう。大きそうな手ごたえを感じたら、さらに追いあわせをするのも効果的です。
ビンチョウマグロのあたり
ビンチョウマグロのあたりは、大きく分けて2パターンあります。1つ目はジャーク時のあたりで、この時は「ゴン!」と重いものが乗るような感覚が手に伝わります。2つ目はフォール中のあたりで、こちらはジグの重みを感じなくなったり糸の動きが止まったりするのが特徴です。
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おすすめのトンジギタックル選び
トンジギにおすすめのロッド
ビンチョウマグロは大型の魚ですので、ロッドも相応したタフなものが必要となります。番手でいうと、PEライン3号〜5号クラスに対応した大物青物用のジギングロッドを選ぶのがよいでしょう。
ライトジギングタックルでは大型が掛かった際に対応しきれないため、注意してください。
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トンジギにおすすめのリール
トンジギは、ベイトとスピニングのどちらでも楽しめますが、大型でパワーのあるリールが必要です。スピニングであれば8000番台以上、ベイトであれば2000番台以上から選ぶのがよいでしょう。
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最低300mはラインを巻けるリールが必要
トンジギでは、ターゲットがいる棚まで150m以上ある場合もあります。そのため、必ずPEラインを300m以上巻けるリールを選ぶようにしてください。150m以上手動でビンチョウマグロと戦うのがつらい方は、電動リールを選ぶのもおすすめです。
トンジギにおすすめのライン
トンジギはラインも強じんなものが必要です。PEライン4号前後をメインラインとしましょう。あたりがどの水深で出たか分かりやすいように、水深ごとにマーキングが入っているものがおすすめです。リーダーには、伸びが少なく感度の高いフロロを選ぶようにしてください。
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リーダーの長さ
ビンチョウマグロは、水面近くに上がってくると急に激しく暴れだします。そのときにリーダーが短いと、ロッドのガイドや船底部にラインの結合部が擦れてラインブレイクが起きる可能性が高くなります。結合部を早めに巻き取るためにも、リーダーは8m以上取るようにしてください。
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トンジギの仕掛けのポイント
アシストフックで釣果アップ
トンジギの仕掛けで必要なものが、アシストフックです。マグロ系の魚は、口が堅くてフッキングが上手くいかないこともよくあります。そのため、必ずアシストフックをジグにつけるようにしましょう。針は、ビンチョウマグロの硬い口にしっかりと刺さる鋭いものを選んでください。
アシストフックのサイズ
アシストフックのサイズは、大型青物用である6/0〜11/0の太軸の針が必要です。大きさの基準として、300g前後のジグには6/0の針がおすすめ。これを目安に、ジグのサイズに合わせて針もサイズアップさせてください。
アシストフックのセッティング例
アシストフックの取り付け方は、フロントのみに針を付ける「フロントセッティング」と、前後に針を付ける「フロント&リアセッティング」の2種類です。
巻き上げ釣りに適したフロントセッティング、フォールに適したフロント&リアセッティングというように特徴があるので、状況に合わせて使用しましょう。
仕掛けにスイベルを挟んでトラブル防止
マグロ系の魚は旋回しながら逃げるので、糸のねじれを防ぐためにトンジギの仕掛けはジグとラインの間にスイベルを挟むとよいです。強度の高い大型のスイベルは扱いにくいですが、破損を避けるためにも5番〜6番以上のサイズのスイベルを使うのがおすすめです。
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おすすめトンジギルアー
トンジギの基本はメタルジグ
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「トンボマグロジギング」という名前の通り、トンジギで使うルアーはメタルジグです。トンジギは海の深いところも狙う釣りなので、比重の軽いプラスチックルアーなどではポイントまで落とし込むのは難しいです。そのため、フルメタル製のジグを用意しましょう。
ジグのサイズ
初心者は、まず300〜500gぐらいのサイズをメインに揃えておくとよいでしょう。潮の速さによって重さを使い分けるので、さまざまなサイズのジグが必要です。
場合によっては500g以上の出番も
トンジギでもっとも多く使うジグのサイズは300〜400gですが、潮の流れがあまりにも早い場合は500g以上のジグが必要となります。どのような潮の流れでも対応したい場合、保険も兼ねて700g程度までのジグを用意するとよいでしょう。
おすすめのジグカラーリング
初心者の方がトンジギで使うメタルジグのカラーリングに迷ったら、まずはシルバー系を中心に選ぶことをおすすめします。水深が深いところにいるビンチョウマグロにジグを見つけてもらう必要があるので、蛍光カラーやグロー系のカラーのジグも用意しておきましょう。
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トンジギの注意点
トンジギは体力勝負
トンジギは釣れるエリアまで釣り船に乗って行き、釣れる水深も教えてもらえます。アクションも簡単なので、トンジギは初心者でもできる簡単な釣りです。ただし、トンジギには体力と根気が必要不可欠。難しい釣りでないということは、それだけ単調な作業の繰り返しということでもあります。ビンチョウマグロがいるポイントに根気よくジグを落とし続けることが大切です。
船底にラインをこすらないように注意
ビンチョウマグロが水面近くに上がってくると、大暴れすることがほとんど。この際、船底に潜られてしまうとラインと船底がこすれてラインブレイクの原因につながります。
この対策として、基本的にロッドを立ててロッドワークで相手の動きをコントロールすることが大切です。マグロはよく泳ぐ回遊魚ですので、相手を自由に泳がせないよう注意しましょう。
クロマグロ釣りの規制に注意
令和5年4月から始まった「クロマグロ遊漁の規制」ですが、トンジギでも注意が必要です。この規制により30kg未満の小型クロマグロは必ずリリースすることとなり、30kg以上は1日1尾しかキープできなくなりました。トンジギでクロマグロが釣れることもあるので、こちらの規制に関しても注意しておきましょう。
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釣って楽しい食べて美味しいトンジギにチャレンジ!
トンジギは船釣り初心者でも手が出しやすく、体力と根気があれば高級魚も釣れる可能性がある釣りです。船釣りに挑戦してみたい釣り経験者から釣り初心者まで楽しめる釣りなので、ぜひ一度体験してみてください。
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