
今回はエギングでなかなかイカが釣れない方へ、釣れない理由と解決方法、釣り方のコツをまとめてご紹介します。エギングは使う仕掛け、そしてターゲットが魚ではないという点が他の釣りと大きく異なります。エギング特有の釣れない理由を知って、ステップアップを目指しましょう。
釣れないエギングから脱出しよう
釣れない理由を知ってステップアップを目指そう

今回はエギング初心者の方向けに、釣れない理由になりやすいポイントと、原因の解決方法をご紹介します。
狙うターゲットのアオリイカ、そしてルアーであるエギは、他の釣りと比べて独自性が高く、イメージをつかむのが難しいという初心者の方が多いです。
釣れないと諦める前に、ぜひ今回ご紹介する原因と対策で一工夫してみてください。
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エギングで釣れない5つの理由と解決方法を紹介
釣れない理由の解決で脱初心者

まずは釣れない人が陥りやすい5つのパターンと、原因の分析、解決方法をまとめて解説します。
初めての1匹を手にするために必要な初心者向けの内容なので、エギングを始めたばかりの方も、ぜひ参考にしてみてください。
シャクリやタックルなど一歩踏み込んだ内容でなくても、スランプを脱出するきっかけになります。
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1.エギングで釣れない原因:季節はずれ
アオリイカは1年サイクルの年魚
初めての釣りにエギングを選んだ方にとって、最も釣れない理由になりやすい、アオリイカの生態的な特徴です。
1kgを超えて巨大化するアオリイカですが、寿命は約1年、長くても1年半という1年サイクルの年魚で、このサイクルの中には、産卵の季節やエギで釣れない幼生の季節も含まれています。
水温低下が苦手な生き物なので、寒い季節は水温が安定する深場へ移動する点も要チェックです。
すべてのアオリイカが同時に産卵したり、寿命を終えたりすることはありませんが、季節の移り変わりにシビアなターゲットだということをチェックしておきましょう。
季節の変化によるアオリイカの成長イメージ
春夏秋冬のエギングをそれぞれご紹介します。
釣れる季節と言われている春、秋が釣りやすいのは間違いありませんが、その年の水温変化の状況で、アオリイカの成長段階や接岸状況も変化する点は要チェックです。
地域によっても水温の変化に差があるので、開始時期が気になる時は気象予報サイトなどで、地域の水温状況をチェックしてみましょう。
シーズンイン直後はフレッシュなイカが多く、シーズン中であっても、回遊状況や釣り人によるプレッシャーによって、釣れる日釣れない日を繰り返します。
春は親イカの季節
春は産卵を意識した親イカサイズのアオリイカが増える季節です。
産卵場所である海藻地帯を中心に、流れに乗ってエサのいる場所を探しています。
成熟したイカが多く、不自然な動きをするエギを見切るイカが多いです。
全国で釣れ始めるのは4月頃からで、5月と6月に春のエギングシーズン本番を迎えます。
夏はアオリイカの数が減る季節
夏は産卵後、寿命を迎えるイカが増える季節です。
初めての1匹を目指すには不向きですが、特別大きなサイズが出やすい季節と言えます。
地域によっては真夏まで狙えますが、7月いっぱいという地域が多く、基本的には卵~幼生のオフシーズンというイメージです。
秋は子イカの季節
秋は成長して釣れるサイズになった子イカが増える季節です。
この時期のアオリイカは好奇心旺盛で、エギに対する反応もよく、初めての1匹を目指すのに最適な季節と言えます。
大型のイカはほとんどいない時期なので、釣れるサイズに合わせて、3号など小さめのエギを使うのがポイントです。
冬は深場へ移動する季節
冬はアオリイカが水温低下を嫌って、深場へ移動する季節です。
目安となる水温は16℃程度で、水温低下とともに岸付近からアオリイカの数が減っていきます。岸から深い場所まで届く釣り場であればチャンスがあります。
この季節についても地域差はありますが、基本的にはオフシーズンとイメージしておきましょう。
春に向けて、水温16℃を越える日が増えてくると、大きくなったアオリイカが岸付近に増えてきます。
季節 |
アオリイカの成長段階 |
エギングシーズン |
春 |
親イカ~産卵 |
◎4月からスタート、本番は5月頃から |
夏 |
産卵~親イカor卵 |
産卵後のイカが増える |
秋 |
卵~子イカ |
◎9月からスタート、10月頃から釣れるサイズが増える |
冬 |
深場へ移動 |
水温の低下とともに深場へ向かうイカが増える |
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2.エギングで釣れない原因:底を攻め切れていない
春に釣れない人は要チェック
底付近を好むイカが多い春の釣りや、ルアー釣り初心者の方が釣れない理由に多いのが、底を攻め切れていないケースです。
エギは他のルアーに比べると特別沈下速度が遅く、ノーマルタイプの3.5号で1m沈むのに3秒から5秒程度かかります。
キャスト後に着底を確認する、ここまではしっかりする方が多いですが、アクション後のフォール時間が短く、シャクってフォールさせて、と繰り返すうちに、どんどんエギが上にあがってくる方が多いです。
底付近を攻めているイメージを持っていても、実際はエギが沈むスピードが遅くて、ずっと中層を釣ってしまっているというケースは、イカが釣れない大きな原因になります。
日中の釣りならラインである程度判断できますが、夜釣りでしっかり底を攻め切るにはある程度の経験が必要です。
ゆっくり沈める釣り方を意識するのがポイント
風の強さや海の潮位、潮の流れ方など、エギの沈み方は釣り場や当日の状況によって大きく変化します。
初心者の方が感覚でアジャストしていくのは難しいので、いきなり釣りを始めるのではなく、1投目、2投目は状況の確認として、アクションごとにしっかり着底を確認しながら釣る釣り方がおすすめです。
キャスト後と同じように、海中に向かうラインが止まったら、着底の合図になります。
着水から着底までと、アクション後着底までにかかる時間をカウントしておけば、中層より上を釣っている時間はかなり減るはずです。
エギは着底中の止めも十分な誘いになると考えるのもおすすめです。
シャクって動かしていないと釣れないとは考えず、フォールと着底をじっくり見せる釣り方も有効だとイメージしながら釣ると、フォールを待てなかったり、動かしたくなる時間を短くしたりできます。
エギングはフォール中のアタリが一番多い釣りです。焦らずエギを見せる釣り方で、釣果アップを目指してください。
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3.エギングで釣れない原因:アタリが分からない
分かりにくさの理由はイカ特有のアタリ方
これもアオリイカ釣り特有の釣れない理由です。魚が相手であればコツッときたり、竿先が曲がって揺れたりしますが、アオリイカのアタリはラインが引き込まれる、止まるなどのわずかな違和感が発生する程度です。
ラインがたるみすぎていると、沖側のたるみが真っすぐになるだけでアタリが分からない原因になります。
また、風や波によるラインの動き、着底によるラインの停止と見分けがつきにくいのも、初心者が苦戦を強いられる要因です。
日中の釣りで糸の動きを観察
ラインが動くアタリをアタリだと認識した経験があれば、違和感の察知やアワセはどんどんスムーズになります。
一回目の認識がネックになる部分なので、日中の釣りでラインをよく見て、怪しい動きになるべくアワセを入れるように練習をしてみましょう。
波や風にアワセを入れることがあっても、大した問題ではありません。
また、ラインを見やすい色にしたり、マーカーが入ったラインを使うことで、ラインの動きを見やすくする方法もあります。
フォール中は穂先を海面に近づけて、ラインが風の影響をなるべく受けないように、海面や海中を漂っている状態を目指してみましょう。
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4.エギングで釣れない原因:ワンパターン
同じことの繰り返しが釣れない理由になることも

同じ釣り場に同じポイント、同じエギで同じアクションとワンパターンになってしまうのも、釣れない人が陥りがちな釣り方です。
エギングは惜しいアタリや他の魚からのアタリが少なく、釣れない時間が続くと集中力を持続させるのが難しい釣りですが、色や動きで反応が変わったり、スレてエギを見切ったりと、ワンパターンな展開は避けるべき釣りでもあります。
どんなパターンが釣れる釣りなのか、経験が少ない初心者の方は釣り方の引き出しがまだ少ない段階ではありますが、できる対策はたくさんあります。
エギを変えながら歩き回ろう
初心者の方でもすぐに実践できるワンパターン対策として、ランガン戦略とローテーション戦略があります。
ランガンというのは、どんどん歩き回って自分から魚を探す釣りのスタイルのことです。(移動しては撃つ という意味の「Run & Gun」の略称)
やり方は極めてシンプルで、同じ場所に投げ続けないように移動し続けるだけで実践できます。
特に春のイカは違和感を抱くとスレるので、1投目を大切にすることと、3投ほどしたら見切ってスレていないイカを探す方向に切り替えるというのがおすすめです。
ローテーションもやり方は簡単で、エギの種類やカラーを交換するだけです。
近年は色の違いだけでなく、形状やパーツに工夫を凝らしたエギも多数展開されています。ぜひ店頭でスタッフにご相談ください。
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5.エギングで釣れない原因:飛距離が足りない
飛距離を出してスレていないイカを見つけよう
エギは沈降速度がゆっくり、つまり比重が小さく、そもそも飛ばないタイプのルアーですが、エギングで飛距離を出すことは、スレていないイカを見つけることに繋がります。
また、イカが流れについていたり、藻場が遠いポイントでは、飛距離は最も重要な要素と言っても過言ではありません。
よく飛ぶ投げ方を習得する、あるいはよく飛ぶ設計のエギを使うことで、飛距離を稼ぎましょう。
飛距離アップのコツ
1つ目のコツは垂らしの調整です。
「垂らし」とは、投げる時に穂先からどの程度ラインを出しておくか、という意味の言葉で、エギングにおいては1~1.5m程度が目安です。
(長いロッドほど、垂らしを長く取る必要があります。)
垂らしが短いと、竿先にしかエギの重さが乗らず、竿全体のパワーを使えないので飛距離が出ません。また、短すぎる垂らしは折れの原因にもなります。
垂らしをある程度長くすることで、竿が太い部分までしっかり曲がり込み、大きな反発力を生み出せます。また、遠心力が大きくなるぶん初速が速くなります。
2つ目のコツは振りを大きくすることです。
これも遠心力を上手に利用するためのテクニックで、肘と手首だけで投げるよりも、肩が入るところまで振りかぶってから振るほうが飛距離が出せます。
疲れてくると小さなキャストになりがちですが、一息入れて大きくロッドを振りましょう。
よく飛ぶ設計のエギ
メーカーの技術は日々進化しており、様々な創意工夫によって飛距離の出やすいエギが開発されています。
キャストの上達はもちろん重要ですが、「そもそもよく飛ぶエギを使う」というのは誰でもすぐに実践可能で確実に効果が出る、飛距離を伸ばすための戦略です。
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エギングは釣果データの収集が釣果アップのポイント
釣果情報で釣れる場所をチェック
エギングでよく登場するキーワードに「墨跡」があります。
これは釣られたアオリイカが吐いた墨の跡のことで、生育状況のよい藻場、餌となる小魚の回遊など、イカにとって魅力的なエリアには複数のアオリイカが群れで接岸することから、「釣れている場所はよく釣れる可能性が高い」という意味で重要視されている言葉です。
シーズン中であっても釣れる場所、釣れない場所があり、釣れる場所は数も出やすいのがエギングです。
フレッシュな釣果情報をチェックして、今釣れる状況のよいエリアへ釣りに出かけましょう。
釣具のポイントでは、Google mapの場所情報付きで各店が釣り場情報をアップしています。
ただ、実は情報がまだ少ない時期・場所こそが狙い目だったりもします。
他の釣人が入っていないポイントであれば、スレていないイカがいるかもしれません。このような場所を探すときに重要なのは、「潮流」と「藻場」です。
潮の流れがある程度なければエサとなる小魚も入ってこないため可能性は低くなります。
また、アオリイカが好む藻はホンダワラやアマモです。
初めての場所でも、エギをシャクってみてこれらの藻がカンナに引っ掛かってきたら期待が膨らみます。
少し粘って丁寧に攻めてみてもいいかもしれません。
釣れ始める時期だけでなく、「今釣れる」が分かるのがエギングでは非常に重要です。
気になるエリアや釣れる釣り方の情報も、ぜひ店頭でスタッフにお尋ねください。
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エギングでどうしても釣れない時はコレを試そう
ボトムステイとズル引き
いろいろな釣り方を試してもうまくいかない時のために、エギング奥の手もご紹介します。1つ目にご紹介するのはボトムステイ&ズル引きです。
ボトムステイは着底後、すぐにシャクらずエギを海底で放置するテクニックで、エギはラインや流れを受けて海底でユラユラと揺れます。
やり方はアタリに反応できる程度のラインのたるみを作って、1分~5分放置するだけ。
この釣り方は根掛かりの原因になる可能性があるものの、動くエギにスレたイカや底べったりなコウイカなどに効果的です。
釣り方に変化が欲しい場合は、釣り場の根がかり具合と相談しながら試してみてください。
ズル引きはボトムステイをそのまま引きずる釣り方で、やり方はゆっくりリールを巻いたり、ロッドをゆっくり起こして引っ張るだけでOKです。
この釣り方も根掛かりの原因になるものの、底べったりなイカの攻略に適しています。磯系ではなく砂が目立つエリアで実践しましょう。
新しいエギを使う
エギはイカの墨で汚れていたり、かじられて布が破れてたりしていると、アオリイカに違和感を抱かせてしまうことがあります。
イカの墨でエギが汚れたら、釣り場で歯ブラシを使ってぬめりまできれいに取り除きましょう。
また、根掛かりなどでカンナが開いてしまうと、せっかくイカにエギを抱かせても、フッキングがうまく決まらないケースがあります。
カンナの開きやエギの布破れは釣行中に気が付かないことがあるので、ときどきチェックしたり、定期的に新しいエギに交換するのがおすすめです。
エサ巻きのエギを使う
スレているイカばかりでエギを無視されたり、すぐにエギを離してしまう状況の打破には、生のエサを付けるエサ巻きエギが有効です。
エサの準備があってルアーゲームらしい手軽さはちょっと薄れてしまいますが、エサは鶏のササミやキビナゴなどの小魚が使えます。
やり方は通常のエギングよりも少しゆっくりで、スローなシャクリやボトムステイを使って、エサの力でアオリイカにエギを抱かせます。抱いた後も通常のエギよりも違和感を与えにくく、アワセの猶予も長いです。
ヤリイカやコウイカに対して効果が高い釣り方として有名ですが、アオリイカに対しても効果があります。
まずは1匹という方は、エサ巻きエギの導入も検討してみましょう。アタリの感覚をつかむ練習にもなります。
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釣れないエギングはコレで解決
釣れない理由を1つずつ解決していこう

初心者の方が陥りやすい釣れない理由と、解決方法をご紹介しました。
ご紹介してきたテクニックは全て一度に実践するのではなく、いろいろなやり方を試しながら、自分のペースでステップアップを目指すのが楽しく釣りを続けるためのポイントです。
釣り場特有のコツやテクニックもあるので、お出かけになる場所がお決まりの方は、ぜひ店頭でスタッフに釣果やコツをご相談ください。
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