釣り好きの父の影響もあってか、

スーパースパルタ教育で気が付けば自分もどっぷり釣りの世界へ。

今までいろんな魚と出逢ってきたが、

石鯛は親子二代にわたる夢でもある。

石鯛釣り4年生になり、

何度となく仕掛けを海に投じてきた。

そして経験した17回連続ボウズ。

しかし、

「諦める」という感情は全くなく、

何故か海へと駆り立てる物がある。

今思えば17回連続ボウズは試練であり、

財産にも思える。

開始わずか数投で仕留めた本イシで、

今までの苦労から全て解放された自分がそこにいた。

そして、

訪れた、

至福のひととき。

なで肩、

覚醒。

止まらないアタリ。

カウンター13.8

通称「井沢」

毎投、奇跡の棚「13.8（井沢）」に仕掛けを送り込む。

そして、

訪れる怒涛の舞い込み。

勿論、一人の釣行ゆえ、独り言が半端ない。

「いっちゃえ！行っちゃいなって！！」

「井沢！頼むぞ！」

今思えば変な人だが、

そんなの関係ない。

そして、今日一のアタリ。

置き竿にしていた竿が限界まで絞り込まれる！！！

デカい！！！

明らかに経験した事のないスピードとパワー！

水面に浮いてきた姿を見て

緊張がピークに達する。

「頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む

頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む

頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む

頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む」

呪いの様に唱え、静かにタモの中に納まってくれるのを待つ。

そして、

訪れた、

歓喜の時。

よぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉしぃぃぃぃぃぃ！！！！！！！！！

手が、

震えとる・・・。

ズーンと横たわるその姿、

本当にオレがやったんか・・・。

震える手で写真をピシャリ。

時合いは一瞬。

午後は無いと思って全力で竿を振る。

しかし、

止まると思った本命潮は止む事を知らない。

竿が面白いように舞い込む！

これは夢か？？？？

50ｃｍ2キロ

なぜ釣れる？

そしてなぜ今まで顔を出してくれなかった？？

気が付けば時計の針は12時。

そして、

脳裏をよぎるシナリオ・・・。

「まさか勢いに乗って60ｃｍオーバー・・・」

いや、

無い。

むしろ、

無くていい。

いきなりそんなの経験したら、

石鯛釣りの魅力がなくなる気がしてならん。

釣れない所にロマンを感じる。

それが底物。

そんなシナリオに変わって訪れたのは、

ラスト2投に訪れた、

2投連続HIT。

もう、

もう釣れなくていい。

ストリンガー満車やないかい。

合計6枚・・・・。

今までなんだった・・・。

深島の海に感謝し、

15時納竿。

～帰りしな～

ふかしま丸待合所にて・・・。

船長「おー！ようやったなー！！最近見らん釣果やな！」

そんな有り難い声に、

「いやー、楽しかったです！」

さも、こんな思い、何回かしてます的なオーラ全開で、

ウワズリ気味の声を殺し、

爽やかに挨拶。

本当はハグしてハイタッチして

「深島サイコォォォォォ！！！！

フォォォォォウ！！！！！！！！！！！」

って言いたかった・・・。

帰りの車内は

興奮からか、

まったく眠くなく、

そして、

次石鯛に会えるのは

10年後か？？

そんなシナリオが脳裏によぎったとさ・・・。