釣った魚介を食べるのは、釣りの醍醐味の一つ。本記事では、釣り人におすすめな美味しい刺身の筆者独自ランキングをご紹介します。また、捌きやすい魚の種類もまとめましたので、あわせてぜひチェックしてみてください。
新鮮な刺身が美味しい魚介TOP5
魚料理と言えば「刺身」ですよね。外国からの訪問者も「サシミ」を楽しみに来たという方もかなりいらっしゃいます。そのような中、釣り人の特権とも言えるいわゆる「釣りたて」が美味しいおすすめの魚介類の刺身ランキングをご紹介します。ランキングは筆者独自のものですが、是非参考にしてみて下さい。
5位:ヤリイカ
ヤリイカは日本で最もポピュラーなイカの一種で、古くから日本の食卓を彩ってきた人気の食材です。釣りの対象としてもおすすめで、エサ釣りからルアー釣りまで幅広く人気があります。
ヤリイカの旬
ヤリイカの旬は、地域によって異なります。基本的には冬から春の間。ヤリイカは1年しか生きないイカなので、成熟したイカの刺身を食べるなら1月頃がベストシーズンだといわれています。また、春先になると子持ちのヤリイカが現れ始め、プチプチとした食感の卵も楽しめるとして人気です。
九州や山陰では2〜4月が旬と言われており、5月〜初夏あたりまで夜焚き釣りのターゲットとして人気を集めています。
ヤリイカの身の特徴
ヤリイカの身の特徴はスルメイカほどコリコリとした食感はありませんが、ほど良い食感と上品な甘味のある身で、口の中にスッと溶けるような感覚を味わえます。鮮度が高いほどヤリイカの刺身は美味しいといわれるので、釣り人にはぴったりでしょう。
ヤリイカの締め方
イカの締め方を覚えれば、釣ったヤリイカをよりおいしく食べられます。ヤリイカの場合、胴体と足の部分のつながっている部分からナイフを差し込み、胴体と内臓を切断して胴体部分が白くなれば完了です。
その後、氷と一緒にクーラーボックスへ入れて持ち帰りましょう。イカ類の注意点としては、真水や氷に直接浸からないようにすることです。美味しく食べるためにも、持ち帰り方法は釣りと同じぐらい大切にしたい部分です。
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4位:ハマチ
ハマチはスズキ目アジ科に分類される魚で、いわゆる「青物」と呼ばれる釣りでも人気のある赤身の魚です。
出世魚と呼ばれるサイズによって呼び名が変わる魚の一種でもあり、関西では32~46cmのブリをハマチと呼びます。
モジャコ→ワカナ→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ、ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ、ヤズ→ハマチ→ブリなど地方によって大きさで呼び方も全く異なりますが、1m前後のブリに対して成長途中のものをハマチと呼びます。また、地域によっては天然ブリに対して、養殖ものをハマチと呼んで区別しているところもあります。
ハマチの旬
天然もののハマチの旬は夏から秋にかけてで、寒い時期に旬を迎えるブリより一足早く旬を迎えます。最近ではハマチの養殖技術が進んでいるため、養殖されたハマチは一年を通して安定した味を楽しむことができます。
ハマチの身の特徴
ハマチは養殖と天然でその味が大きく異なり、養殖のハマチは身に含まれる脂の量が多く、甘みを感じる味になっています。一方、天然ものは身に含まれる脂の量が少なく、さっぱりとした味わいが特徴です。天然物を釣ったときは、ぜひ一度食べ比べてみてください。
3位:ヒラメ
ヒラメは、カレイ目ヒラメ科に分類される白身の魚です。サーフや堤防から釣れる定番の魚で、市場では手に入りにくい大型のヒラメも釣りであれば手に入る可能性があります。
ヒラメの旬
ヒラメは夏ごろから身が美味しくなり始め、冬の寒い時期が旬といわれています。この頃のヒラメは「寒ビラメ」と呼ばれ、寒い時期に備えて脂肪を蓄えつつ、身が締まった肉厚の白身を楽しめます。
近年では養殖や輸入も盛んになり、通年で美味しく食べられるようになりました。
ヒラメの身の特徴
ヒラメはマダイと並ぶ日本の高級魚として有名で、その身は淡白ながら旨みを感じられます。どの部位も総じて美味しいのが特徴ですが、中でも背びれの付け根部分にあたる「エンガワ」が人気。コリコリとした食感で、噛めば噛むほど旨みが出ます。
2位:アジ
アジは、昔から日本の食卓を飾ってきた代表的な白身魚です。新鮮なアジでしか刺身は作れないため、アジを手に入れられる釣り人におすすめの美味しい魚です。
アジの旬
アジは通年食べられることで有名な魚ですが、産卵前の5〜8月にかけて獲れるアジが最も美味しいとされています。この時期のアジは、産卵に備えて脂を身に蓄えているので刺身にぴったり。
一方、夏を過ぎて産卵期に入ってしまうと、生殖器に栄養が取られて味が落ちてしまいます。
アジの身の特徴
旬のアジは小型〜中型サイズでさほど大きくありませんが、旨みがたっぷり詰まっています。特に、6〜7月の間に獲れたアジは食味も良いとされ、刺身にもおすすめです。
その味はタイを超えるほどといわれており、食べてみればランキング上位なのも納得頂けるでしょう。
そして、その中でも50cm前後まで大きくなる種類のマアジは、各地で「ブランド魚」として重宝されており、釣り味も食味も絶品となっています。よく見るアジの刺身とは1つも2つもレベルの違う格別な味わいは、一度食すと忘れられないほどの一級品です。
1位:タチウオ
タチウオは、スズキ目タチウオ科に分類される白身魚です。その名の通り、太刀を思わせる細く長く美しい見た目が有名な魚で、鱗が無いなど生態的に面白い特徴も備えています。
アジと同じく新鮮なものしか刺身にできず、その味は多くの漁師が推すほどです。
タチウオの旬
近年、タチウオは生息域の拡大などでどの時期も脂の乗りに変化が無くなってきていますが、タチウオは真夏の時期が最も脂の乗った美味しい時期だといわれていますので、釣りに行く際はこの時期に狙いをあわせてみてください。
タチウオの身の特徴
タチウオは鱗がないため、皮ごと刺身にするのが一般的です。コリコリとした食感をもった白身で、噛めば噛むほど旨みが感じられるでしょう。皮が気になる方は、皮の部分をバーナーで軽く炙れば食べやすくなり、また違った旨みを味わえます。
美味しくて捌きやすい魚の種類
サバ
サバはランキング対象外の魚ですが、こちらもポピュラーな大衆魚の一つ。煮つけや塩焼き、刺身といった料理の種類を問わず愛されています。サバを使って捌き方の基本を覚えれば、あらゆる種類の魚を捌くときに応用が利くでしょう。
サバの刺身の捌き方①:鱗と頭を取る
サバを捌いて3枚におろす際は、下準備として鱗を取って頭を落とす必要があります。まず、器か包丁を使って鱗を落としましょう。鱗を取る際は、鱗を逆立てるように動かすのがコツです。
鱗を落としたら、腹びれと胸びれの付け根を頭側に残すように包丁を入れ、頭を落とします。
サバの刺身の捌き方②:お腹を割いて内臓を出す
次は頭側の腹の中心から包丁を入れ、肛門に向かって真っすぐに切れ目を入れます。腹を割けたら内蔵と血合いを取り出し、水で腹の中を綺麗に洗い流しましょう。その後、キッチンペーパーで全体の水気を取ってください。
サバの刺身の捌き方③:3枚におろす
水気を取ったら、中骨に沿って背びれ側と腹側から切り込みを入れます。切り込みを入れ終わったら尾びれ側から包丁を入れ、中骨に沿って半身を切り取る作業を両面行いましょう。
3枚におろせたら、身の中心から外側に向かって腹骨を切り取ってください。
サバの刺身の捌き方④:仕上げ
腹骨まで取り切ったら、ピンセットなどで身の中心にある血合い骨を抜き取っていきましょう。最後に皮を下にして身を置き、尾びれ側から切り込みを入れて皮を剥いでください。
後は、食べやすい大きさに身を切り取ればサバの刺身の完成です。
タチウオ
タチウオは鱗取りの必要も無く、やり方さえ覚えてしまえば捌きやすい魚です。ランキングトップのタチウオの捌き方を覚えて、ぜひその美味しさを味わってみてください。
タチウオの刺身の捌き方①:頭と内臓を取る
まず、頭と内臓を取ります。腹びれの付け根が頭側に残るようにVの字に包丁を入れて頭を落としたら、肛門から頭側に向かって切れ目を入れて内臓を取り出してください。
取り出したら、水洗いをして水気を取りましょう。
タチウオの刺身の捌き方②:片側の身を切り離す
次に、尾側を数センチ落として肛門から尾側に向かって斜めの切れ目を一直線に入れます。その後、切れ込みを目印に中骨側へ向かって身を切っていきましょう。
中骨まで到達したら背中側に包丁を入れ、片側の身を切り離していきます。
タチウオの刺身の捌き方③:背骨を抑えて中骨を取る
片側の身を切り離したら残った身を裏返し、背骨側も中骨に沿って切り込みを一直線に入れます。切り込みを入れ終わったら、背骨をまな板に押さえて身を持ち上げると身と中骨を引きはがせるので、食べやすい大きさにカットしましょう。
マダイ
マダイも、刺身が美味しい白身の高級魚として有名です。基本的な捌き方はサバの刺身と変わりませんが、マダイは身が大きいので、身を上半分と下半分に切り分けてそれぞれにあった刺身の捌き方をします。
マダイの刺身の捌き方:奥側の身を高くするのが基本
マダイを刺身で捌くときは、基本的に手前側の身を低くして奥側の身を高くします。この状態になるようにまな板の上に身を置いたら、身の右側から切ってください。
このとき背側は頭の角度に合わせ、腹側は薄くそぐように切ると綺麗な刺身になります。
美味しい刺身を食べるための処理方法
釣った魚介類はその場で適切な処理をしなければ美味しく食べられず、体調を崩す原因につながる可能性もあります。ここからは美味しく刺身を食べるための処理方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
血抜きを行う
サバ折り
サバ折りは、エラに指を差し込んで背中側に頭を折り曲げるだけの簡単な血抜き方法です。サバやアジといった比較的小型の魚に有効で、頭を折ったら水の入ったバケツに入れ、血が抜けるまで放置してください。
活け締め
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活け締めは、30cm以上の大型の魚に有効な方法です。まず、魚のこめかみに刃を入れます。魚が口を開けて動きが止まれば締められているので、その後はエラと尾の部分を切り取り水の入ったバケツに入れて血を抜きましょう。
血抜きの終わったバケツの水の処理
血抜きをした後の血の混ざった水は、悪臭の原因や地域住民の迷惑になるため決して陸地に撒かないようにしてください。
釣りが終わった後、周囲で釣りをしている人がいないか確認してから海や川に流しましょう。
持ち帰るまでしっかり冷やす
魚は傷みやすい食材です。サバやタチウオなど特に傷みやすい種類の魚もいるので、必ずクーラーボックスで冷やして持ち帰ってください。このとき、直接氷で冷やさないよう注意が必要です。旨みが氷水に溶けださないように、魚はビニール袋に包んで密封してから冷やしましょう。
内蔵は早めに処理をする
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魚の部位の中でも、内臓は特に腐りやすい場所です。可能であれば、血抜きをする際に内臓も処理しておくと、より魚が傷むのを防げます。あらかじめ内臓などを持って帰る用のゴミ袋などを用意しておき、処理した内蔵は持ち帰るようにしましょう。
アニサキスの対策を行う
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魚介類の刺身を食べる際、寄生虫のアニサキスに注意する必要があります。アニサキスがいる刺身を食べると嘔吐や下痢を起こす原因につながるため、必ず取り除くようにしてください。
刺身をブラックライトで照らすとアニサキスは光るので、ピンセットで取り除きましょう。
新鮮な刺身が食べられるのは釣り人の特権
今回は、釣り人におすすめな新鮮で美味しい刺身をご紹介いたしました。また、釣った魚の処理方法などもしっかりと押さえて、美味しく魚をいただきましょう。